Ojek オジェック

 皆さん、インドネシアに、車のタクシー以外にもバイクタクシーがあることはご存知ですか?
 インドネシアではバイクタクシーの事をオジェックと言います。
 オジェックは昔から存在していて、バイクがまだなかった時代も自転車を使ってお客さんを乗せて目的地まで運びました。バイクがインドネシアで生産されてからは、バイクのオジェックが主流になりました。
 インドネシアでは公共交通機関は黄色ナンバープレートを付け、個人の車は黒色のナンバープレートを付けています。
 黄色ナンバープレートは黒色ナンバープレートに比べて、手続きが面倒で、時間がかかり、税金・車検が高くなっています。
 しかし、オジェックは黒色のナンバープレートを付けています。理由は情報が届かない事でもオジェック運転手の怠慢でもありません。なぜなら、黄色ナンバープレートの2輪車(バイク)は法律で定められないからです。
 インドネシアにとって、オジェックは違法なものに近い存在です。
 しかし、「需要が多い事」と「バイクの所有かつ運転できるだけで簡単になれる職業である事」がインドネシア国民、特に市民の人々にとっては生活の一部になっているため、国はオジェックを禁止にすることができません。
 そして、2010年に新たなオジェックの時代がやって来ます。Nadiem Makarim氏がGO-JEK(当時Gojek)を立ち上げました。
 ご存知の方が多いかもしれませんが、GO-JEKはインドネシア発のユニコーンスタートアップです。
 最初はコールセンターの形でオジェックの注文を受けましたが、アプリの導入によって利用者は爆発的に増えました。
 現在は200万人のドライバーのパートナーを持つGO-JEKは人を運ぶのみでなく、物の配達やフードデリバリー、オジェックの価値を社会的に上げました。
 しかも、アプリを使用することによって、オジェック運転手の収入が明確になったので、オジェックの運転手も納税するようになりました。
 インドネシアの雇用問題、パンデミック中の飲食店営業などの多くの問題を解決したGO-JEKは、現在、アプリが1億9千万回ダウンロードされてインドネシアが誇るユニコーンスタートアップになり、インドネシアの国にとって大きな存在となりました。
 ちなみに、Nadiem Makarim氏はGO-JEKを離れ、現在はインドネシアの教育大臣に任命されました。
 GO-JEKはここまで大きくになったのは、インドネシア国民のニーズを理解して、役に立つサービス、実用性があるサービス提供し続けているからではないかと思っています。

サプタ・リズキ・テイルタユダ