みなさん、カンボジアはいかがですか

 いまだにコロナの猛威がとまらず世界中を覆い尽くしています。私は留学生生活を通じて、日本に長く住んでいました。コロナについては先進国の中で、日本はよく頑張っていると思います。日本でも報道されましたが、カンボジアはクルーズ船を受け入れました。しかし、その中に感染者が見つかり、大騒ぎになりました。私たちの国は医療が不十分ですので、パンデミックが国中に一気に広がるのではないかと世界中の人々から心配の声があがりました。しかし幸運なのかもしれませんが、非常によく頑張っています。感染者数はわずかで死者数もいません。
 さて、コロナはいずれ終息すると思います。いまは、次の時代に向けて準備する時期かもしれません。日本の皆さんは、現在、ものごとを考える時間が増えているとお聞きしましたので、カンボジアについてご紹介したいと思います。
 アセアンと言えば、タイやインドネシアを思い浮かべる方は多いと思われます。アセアンは10カ国で構成されますが、親日的な国が多い中で、カンボジアはとくに親日的です。中国寄りと報道されることがありますが、こころは親日です。アンコールワットで有名なカンボジアですが、ここで少しカンボジアについて、お話したいと思います。
 20年程前まで内戦が続きました。内戦終結に大きな役割を果たしたのが日本人です。国連カンボジア暫定統治機構特別代表の明石康さんです。私は明石さんに憧れて日本に留学しました。カンボジア人には、明石さんを通じて親日になった方は多いと思います。
 さて、1990年代から、計画経済から市場経済への体制移行が行なわれ、貿易・投資・金融等の自由化が急速に進められています。これを契機として、カンボジアの経済は、1998年から2018年にかけて平均8%の成長率を維持しており、世界で最も急成長している経済の1つとなっています。こうした経済成長を支える産業は、農業、製造業、建設業、サービス業です。カンボジアは、国内資金が著しく不足していることから、外国直接投資を非常に歓迎しています。
 2010年以降、日系企業によるカンボジアへの進出が急増しています。カンボジア日本人商工会によれば、カンボジアへ進出する日系企業は、現在約300社です。業種は、製造、建設、不動産、物流、商社、金融、観光、サービスなどです。 カンボジアは、裾野産業の欠如や電力価格の高さといった課題を抱えていますが、アセアン諸国の中では魅力的な投資先の1つと言われています。その理由は、4点挙げられます。
 第1に、若年層です。人口は約1600万人で、30歳以下が総人口の約70%を占めています。平均年齢は24.5歳で、非常に若い国です。消費意欲の高さは日本では想像できないと思います。
 第2に、投資誘致政策です。カンボジアでは、投資に関する法律の整備や一定期間の免税といった優遇措置があり、他のアセアン諸国よりも有利な投資条件が提示されています。また、外資に関する規制が周辺諸国に比べて非常に少ないこと、経済取引はドルで為替リスクがないことです。さらに、カンボジア国籍を有しなくても、2階以上のコンドミニアムの所有権を購入することができます。
 第3に、人件費が安いことです。2019年のカンボジアの賃金の目安は、月額190ドルです。そのため、タイ・プラス1又はベトナム・プラス1の生産拠点としてのカンボジア進出も見られます。
 第4に、親日派が多いことです。カンボジアでは、中国の存在感が高まっていると言われていますが、こころは親日です。
 日本の企業家のみなさん、ぜひ、カンボジアについて、ご関心をもっていただければと思います。カンボジア進出をお考えの方に、どんなことでもご案内できるかと思います。ありがとうございました。

株式会社ANCジャパン 執行役員 カンボジア・ベトナム担当 リム・リーホン