輝かしい未来の実現に向かうカンボジア企業

カンボジアは、1953年にフランスから独立後、1970年代に入り内戦に続くポル・ポト政権による大虐殺という苦難な時代を経験してきました。ようやく、1993年に国連による統一選挙が実施され、立憲君主制度、複数政党制に立脚した自由な民主主義や市場経済体制を掲げるカンボジア王国が建設されました。
市場経済体制以降、カンボジアは1998年から2018年にかけて平均8%の成長率を維持してきました。経済成長を支えるのは、カンボジア国内企業です。2011年経済センサスによれば、カンボジアの企業数は505,134社で、その中で大手企業(従業員101名以上の企業)の総数は786社となり、全体の約0.16%を占めています 。

カンボジアの企業の経営者は、カンボジア再興の夢を持っています。カンボジアを発展させ、輝かしいカンボジアの未来を見たいということです。それを実現するためには、もちろん企業の成長は欠かせないものですが、その重要な役割を果たすのは、人材です。
しかし、多くの企業は、人材の問題を抱えています。というのも、ポル・ポト時代により知識と体験を持った優秀な人材を失ったからです。そのため、日本から学びたいというカンボジア企業経営者が多くいます。なぜなら、日本はアジアの国ですが、先進国であり、カンボジア経営者にとって必須となる知識と経験を持っているからだと思います。

そんな中、弊社は、約1000人以上の従業員や職員がいるカンボジアにある大手企業から、社員教育の依頼を受けました。教育のテーマは、EQです。EQは仕事や人生の成功の鍵だと言われています。人生で成功できるかどうかを決めるのはEQであり、その核心となるのは、感情です。感情は仕事や人生の成功の鍵とも言われています。

現在はコロナ禍のため、弊社の専門家は、現地で直接指導できませんが、オンラインを活用して、毎月・月例オンラインミーティングを開き、6ヶ月間にわたって同企業の経営陣と課長に対して、指導してきました。
月例オンラインミーティングの実施前は、同企業の経営陣や課長は、感情制御に関する知識をもっていませんでした。オンラインミーティングに参加することによって、その重要性や感情抑制についてのステップを知り、仕事や日常の生活で、前よりも感情を制御できるようになったと言っています。参加してよかったという反応がほとんどです。来年以降も、弊社は引き続き、同企業に対して管理職や社員にとって必須となる別のテーマでオンラインミーティングが行われます。

彼らに与えられるこの貴重な機会の背後にあるのは、輝かしいカンボジアの未来を実現したいという夢です。この夢を叶えるために、弊社も微力ながらサポートしていきたいと考えています。

株式会社ANCジャパン
執行役員 カンボジア・ベトナム担当
リム・リーホン