AIと働き方改革
新年あけましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
弊社はこれまで、データサイエンスを活用した人材育成や、ロボット技術とAI技術を融合した経営者アンドロイド、ASEANの人々との交流など、「人間」に重点を置いた活動を進めてきました。
2018年はこれまで以上に、「人間」とは何かについて問われる1年となりそうです。
2016年に、Google、Apple、Microsoftといったテクノロジ企業が、AIを利用するサービスを次々に発表しました。2017年になると、AIスピーカーなどのデジタル機器にとどまらず、接客や採用面接など、ビジネスの現場にまでAIの利用シーンが広がりを見せています。
2018年以降、ますますAIは進化し、疲れ知らずのAIが「人間」の代わりに働く、またはサポートすることが増えていくことは間違いありません。
経済的合理性で判断するのであれば、これまで「人間」にしか出来ないと思われていた領域でさえ、AIに侵される可能性は否定できません。
その時「人間」はどうするのでしょうか。
古代ギリシャの哲学者アリストテレスは、人間は「zoon politikon(ポリス的動物)である」と述べています。――― 人間は、自己の自然本性の完成をめざして努力しつつ、ポリス的共同体(善く生きることを目指す人同士の共同体)をつくることで完成に至る、という(他の動物には見られない)独特の自然本性を有する動物である ―――
絶えず他者との関係において存在している「人間」は、誰かのために、何かのために働く動物であるならば、AIの進化は、現在の「人間」の「働き方」を変えてしまうかもしれません。
2016年9月より、政府は「働き方改革」の取り組みを掲げ、議論を進めています。
働けば働くほど豊かになる個人、企業、国。すべてが豊かになれる時代はとうの昔に過ぎ去りました。現在、三者それぞれの豊かさや幸福さの指標が一致せず、多くの課題が現れています。長時間労働は、その最たるものかもしれません。
経営資源である、ヒト、モノ、カネ、情報。
ヒトを設備(モノ)として扱い、利益の最大化を目指す時代は終わりました。それこそ、ヒトがすべてAIやロボットに代替される可能性もありますが、競争優位性は何もなくなってしまうかもしれません。
個人は、「人間」とは何かを見つめ直し、生き方、働き方をしっかり考え、企業は、経営資源のひとつであるヒトを「人間」として見つめ直し、「人間」としての強さを上手く経営に取り入れることが、個人、企業、国の豊かさや幸福さに繋がるのではないかと考えます。
弊社は2018年も、「人間」とは何かを考え続け、個人の成長、企業の成長をサポートしていきます。
落合 真人