選手に考えさせて日本ラグビーを世界レベルに
押し上げた名指導者 エディー・ジョーンズ

 2020年に先駆けて、2019年にラグビーワールドカップが日本で開催されることになり盛り上がっていますが、前回(2015年)のワールドカップで、それまで1勝しかできなかった日本に3勝させ、世界レベルに押し上げたエディー・ジョ-ンズ氏を今回の題材とします。
 エディ-・ジョーンズは、1960年、オーストラリアのタスマニア州に、オーストラリア人の父、日系アメリカ人ハーフの母の子(エディー本人は、クオーター)として生まれました。幼少の頃から、文武両道で、勉強に励みながらラグビーを続け、ラグビー選手としては身長173cmと小柄ながら、オーストラリア代表にあと一歩までの活躍をしています。
 エディーは、32歳で選手を引退し、高校の教師をした後、1996年日本の東海大学のコーチ、2001年オーストラリア代表のヘッドコーチ、2010年サントリーのヘッドコーチを経て、2011年12月ラグビー日本代表のヘッドコーチに就任しました。
 エディーは、日本代表の目標は、ワールドカップで勝つことを掲げ、たとえ練習試合で60点差の大差で負けることがあっても、個々の選手に、試合で何が欠けていたかを課題として自覚させ、成功するためには、準備がすべてであることを認識させています。エディー曰く、『スポーツはもとより、ビジネスでも競争相手がいる。どんな事でも、成功とは、相手に勝つことにほかならない。勝ちたいなら、相手を上回る準備をするしかない』。その準備もやみくもにするのではなく、たとえば、水分補給する場合でも、なぜ水分補給が大事なのかを理解させています。細かく説明すると、脱水症を起こすと血液の水分が減り、粘度が高まり、血の循環が悪くなって、まず頭がぼんやりする。この時、体は普通に動くことが多いが、判断力が鈍り、その判断の狂いが、勝敗を分けてしまうため、水分補給が大事ということを説明しています。
 エディーは、ゲームの法則を理解することを重要視しています。法則を理解すると、次に何が起きるのか、予測がつくようになり、その予測から自分の行動を選択すれば、優位に立つことができるとしています。このことは、中日ドラゴンズ時代の落合監督が、ノーアウトで走者満塁時に、選手が併殺打を打った時、普通の監督だったら、怒ったり、悔しがるところを、1点入ったと平然として、野球が点取りゲームと理解していたことと重なります。
 エディーは、トレーニングについて、今よりよくなろうという意識がなく行っても有意義にならないということで、集中していない選手がいたり、準備ができていない選手がいたら、トレーニングを中止させたりしています。
 エディーは、一つ一つ、選手に考えさせてチームを強力にしています。因みにエディーはビジネス書から選手たちへのメッセージの出し方を学んでいるようです。
 エディー氏のラグビーでのマネージメントは、経営にも十分に役立つのではないでしょうか。
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加藤 博司