一人前の社員を育てる

 少子高齢化による労働力、人口減少やグローバル化の影響により、人材確保に課題を抱える企業が増加しています。ある調査では、「必要な人材を見つけられない」と回答している雇用主の数が、グローバル平均45%の中、日本は89%となっており、日本の大多数の企業が十分な人材を確保できていない状況が明らかになっています。また同調査では、人材を確保できない理由として、応募者不足、スキル不足が挙げられています。企業は、優秀な人材だけを採用することができなくなりました。これからの時代は、運よく確保できた人材を有用な戦力として育成していくことが重要な人材戦略となります。

 近年の働く人々の就業意識や就労にかかわる基本的な価値観の変化により、生産性向上や経済成長を優先した企業中心の戦略や戦術では、従業員と会社との間に大きなギャップが生まれ、双方にとって不利益を生じる恐れがあります。NRI(野村総合研究所)の調査によると、ここ20年の間で就業意識の変化が大きかった項目として、以下の内容が挙げられています。
  1. ワークライフバランスの重視
  2. 安定した生活を求める傾向
  3. 保守的なキャリア形成意向
  4. 会社へ帰属、貢献をめぐる意識の低下

 滅私奉公の精神で会社に尽くす傾向は弱まり、「人並み程度の仕事をすればよい」という意識が強まっており、何を重視して働くかの価値観が多様化していることがわかっています。

 このような時代背景の中で、会社は、新しく確保できた従業員をどのように育てていくのか、その姿勢が問われています。

- 社会人としてどうあるべきか
- スキルやノウハウをどうやって獲得していくべきか

 指導する立場では、経験則に流されない判断や感情に支配されない姿勢が重要となります。自分たちができたように、新人や若年層もできるとは限りません。また、明確なキャリアプランを提示し、会社全体で見守ることも大切です。そのためにも、会社としての育成プランを確立し、小さな目標を設定しながら、従業員の成長度合いを日々、追いかけ続けなければなりません。しかし、育成プランを確立し、日々、成長を見守り続ける仕組みは簡単にできるものではありません。
 そこで弊社では、時代背景を踏まえて、優秀な人材を育てるのではなく、従業員を有用な戦力となる「一人前」に成長させるための仕組みとして、新しいサービスを開発しており、近日中にリリース予定です。厚生労働省の職業能力評価基準に基づいた「目標達成管理システム」です。毎日、従業員は設定された目標の達成具合を入力し、その内容を管理者が確認の上、コメントを返します。若い従業員にとって大切な、モチベーション、達成感、自信、安心感を与えることができ、「一人前」になるためのサポートをしてくれる、ありそうでなかった新しい人材育成支援ツールです。

・モチベーション
中長期的なキャリアプランの中で、今自分自身がどの位置にいるかを明確にすることでモチベーションを絶やさない
・達成感と自信
小さな目標をひとつずつ達成することで達成感や自信を得る
・安心感
必要最低限のささやかなコミュニケーションで見守られている安心感を得る


 わたしたちは、限りあるヒューマンリソースをいかに活用するかを考え、時代背景を踏まえた適切な人材育成のサポートをおこなっております。

落合 真人