知的資産の事業承継
12月に入り、お客様とのあいさつの中に、 “一年は本当にあっという間ですねー”という会話が増えてきました。年が明ければ2020年。オリンピックイヤーの年として盛り上がっていくことでしょう。 一方で、企業の事業承継問題には「2025年問題」というのがあります。
右の図は総務省出典のものですが、2025年には、245万人の経営者が70歳を超え、その半数が後継者不在の状態です。そして、それらの企業で事業承継が進まない場合、650万人の雇用と22兆円のGDPに影響が出るという、凄まじい予測が発表されています。
一方で、中小企業庁の調査によりますと、後継者への承継により、経営の若返りができた企業の方が、経常利益が高いという結果が出ております。これは、代替わりにより、新たな事業への展開や、新たなマーケットへの参入などそれらを、IT技術を駆使して実行していくなどの経営革新により収益力の改善につながっているようです。
事業承継が進まない理由として、先代経営者のように課題を乗り越えるための、圧倒的な知識と経験が不足しており、それらを支える心の拠り所である経営理念や人生哲学が確立されていないことが大きな要因の一つです。 つまり、先代の知的資産の承継がスムーズに行えることにより、代替わりが促進されると考えられます。 知的資産とは、右図の表(出典:中小企業庁)にもありますように、経営理念、企業の存在価値をはじめ、事業モデル、商品、取引先とのノウハウなどです。これらの知的資産をシームレスに承継することが、事業承継を成功させることに繋がります。
弊社は、これらの知的資産の承継を促進するためのツールとして、2019年12に「DIGITAL記念館」をリリースいたしました。
「DIGITAL記念館」は企業毎のVISION、HISTORYなどをアーカイブ化しタブレットに収蔵していきます。そして、経営者のロングインタビューも収蔵することにより、後継者、社員がタブレットに向かって質問すると、AI(人工知能)が、その回答を経営者の実際の肉声で自動音声を生成して返します。
この「DIGITAL記念館」を活用することで、先代から後継者へ知的資産をスムーズにバトンタッチすることが実現できます。また、社員教育や学生へのリクルート活動にも活用いただくことで、経営者の考え方を伝えるツールとしてもご利用いただけます。
さらに、事業承継以外でも、記念周年を迎えられる企業の周年記念誌や、自費出版を検討されている経営者様にも、広くご活用いただけます。 詳しくは、こちらをご覧ください。
取締役 牧野 春彦