正しい情報

 5月9日にロシアの「戦勝記念日」式典が行われましたが、大きな進展もなく、今後戦争が長期化(泥沼化)することが予測されます。アメリカとNATOはそのような状況を望んでおり、ロシアが消耗していくとともに、中国との連携が弱まることを期待しています。連日報じられるこのようなニュースに触れる中で、そもそも問題の本質はどこにあるのかということに興味があり、司馬遼太郎さんをはじめ、複数の書籍にて確認をしました。

 その中で、半藤一利さんと池上彰さんの書籍で、日本の現代史教育にたいして同じようなフレーズがありましたので、ご紹介いたします。

「歴史の授業はあるけれど、明治維新が終わったあたりで、ほとんど時間切れになってしまって、以後は自分で勉強しろ、読んでおけという程度なので、・・・」(日本人の宿題/半藤一利)
「残念ながら、日本の学校教育では現代史学を学ぶチャンスが少ないのが現実です。日本史も世界史も、古代のことは丁寧に扱うのに、第二次世界大戦前後のあたりで時間切れになってしまい、先生が、“後は教科書を読んでおくように” と言い渡して終わり、ということがおおいからです」(現代史の基本/池上彰)

 このような状況ですから、ニュースを見ている方の多くは、メディアの切り取った情報をただ単純に鵜呑みにして、感情的に、“プーチンが悪い、ロシアは怖い、ウクライナの子供たちはかわいそう”と感じているのではないでしょうか。

 ニュースを見るときもビジネスにおいても正しい情報収集は本当に大事です。先ずは、事実を正確につかまなければ正しい対応をすることができないからです。

 京都大学名誉教授の中西輝政さんは、国際情勢を正しく見るための「四つの要諦」が大事であると次のように述べています。

 「①物事を『早く見つけ』、②それでいて『じっくりと行動』に移し、③交渉に入ると、『粘り強く交渉』し、しかし、至れりとなると、④一挙に『深く譲歩する』。これは、政治や外交に限らずどの組織のリーダーにも必要な行動哲学といえるでしょう。
 これらの言葉は一見、相矛盾しているようにも見えます。しかし、そこには一本の軸が貫かれています。それは、「タイミング(時機)を読む」ということです。行動するにしても譲歩するにしても、時機を逸してしまうようでは成るものも成らなくなるからです。そして、この時機を正しく読むために欠かせないのが何よりも情報力なのです。」(1日1話、読めば心が熱くなる365人の仕事の教科書/致知出版)

 世の中が目まぐるしく動き続ける中、ニュース番組では同じような論調をシャワーのように浴びせ続け、ある意味、視聴者に対し情報コントロールし続けています。従いまして、その物事の裏側に潜む相手側の立場を考えることや、その物事の過去を紐解き問題の原点に触れ、さらに未来を想像し、この物事がどのように展開していくか、という見方をすることがとても大切なことだと思います。

 5年後の2027年は中国人民解放軍の創設100年にあたる年です。習近平国家主席はそれまでに必ず台湾統一を果たしたいと強く思っています。今回のロシアのウクライナ侵攻は、台湾統一につながっております。その次に中国は何を狙うのか・・・。

 私たちには何ができるのか。先ずは、正しい情報収集からはじめていかなければならないのではないでしょうか。

取締役 牧野 春彦