EQの威力

 10月5日のyahoo!ニュースで、日本電産の永守会長がEQ(感情指数:Emotional Intelligence Quotient)について興味深い記事を紹介されておりました。

“一流大学卒も三流卒も10年後の成果に差はない。” と。

 『京都先端科学大学の理事長としての活動も広く知られる永守会長は、“採用する新卒社員のなかで、一流大学出身者より三流大学出身のほうが活躍する例が多くあることにかねて疑問を抱いていた。そこで一人一人の仕事の成果データを取ってみたところ、ある意外な結果が示され、「結局は情熱と教育がすべてを決める」「IQよりもEQが大切」と確信するにいたったという”。 』

 その結果は、偏差値に関係なく、EQの高い人は、自分から率先して仕事をとってきたり、創意工夫して良い方法を考え出したり、状況の変化に応じて自ら判断して動くことが多いことがわかっています。

 アメリカのギャラップ社の調査でも、EQの向上がもたらす財務的な恩恵について以下のように紹介されております。

EQが高い組織は、

  • 離職の可能性が50%低い
  • 顧客ロイヤリティが平均以上になる可能性が56%高い
  • 生産性が平均以上になる可能性が38%高い
  • より高い収益性が報告される可能性が27%高い

 VUCAと言われる現代において、経済環境が激変しており、企業の求める人財も知能が高いだけの人財から、人間としての総合力が高い人財、つまり、EQの高い人が求められております。

 EQが高い人は行動や言葉によって人を感動させることができ、また共感能力にも優れているといわれています。困難な課題にぶつかったときにも、強い熱意で、最後までやり抜く力(グリッド力)が強いといわれています。

 弊社がサービス提供する組織診断においても、EQと人間力の関係を分析していますが、これまで分析したすべての企業においてEQと人間力には強い相関関係が見られます。(こちらのグラフを参照)また、幸いなことに、IQは伸ばしにくいが、EQは後天的に伸ばせることがわかっております。従いまして、EQをトレーニングすることで人間力の高い人財を作り上げることが可能なのです。

 永守会長曰く、「IQなどの能力的な差が生み出す成果の差は、どんなに頭がいい人でも普通の人のせいぜい5倍程度だということである。しかし、EQの高い社員とやる気のない社員の成果の差は100倍以上にもなることがある。」また、「今後、AI化が進めば、こうした人間力がより必要とされる。」と、指摘します。

 弊社も多数の企業から経営者研修、幹部研修などのご依頼をいただきますが、最初の6か月間はEQトレーニングから実施します。なぜならば、EQが人のインフラであり、先ずはそこを鍛えることで、その後のプログラムを効果的に吸収することが可能だからです。

 EQトレーニングは決して難しくはないのですが、まだまだ中堅中小企業には浸透していないようです。

 人財教育がなかなか思うように進んでおられない企業様は、先ずはEQトレーニングから取り組まれてはいかがでしょうか。成果がとても出やすいので、その後の教育にもシナジー効果が期待されます。ご興味を持たれた経営者様は、是非ご連絡をお待ちしております。

取締役 牧野 春彦