社員を定着させるためには
新年度が始まり、多くの会社では新入社員が入社してきているのでしょう。 産労総合研究所が発表した今年の新入社員のタイプは、「SNSを駆使するチームパシュートタイプ」だそうです。
「SNSを駆使するチームパシュートタイプ」
―SNSを活用してグループの協力関係を作りスピーディーに活動-
また、発表内容では、2018年度新入社員の今後の育成のヒントとして、次のように書かれています。
「買い手市場」の不況期には新入社員の本音が見えにくくなるが、「売り手市場」になると顕在化する傾向にあるという。入社後は、定着へ向けて、個々の資質を見きわめた丁寧な育成が必要となる。
新入社員のタイプは年度ごとに様々ですが、離職率の傾向に大きな変化はありません。3年で3割と言われる新卒の離職率ですが、その多くが1年以内に集中しており、この30年間、その傾向が変わらないことがわかっています。「最近の若い者は!」といったバイアスのかかった見方ではなく、時代に合った定着に向けての取り組みが必要となります。
出典:「新規学卒者の離職状況」厚生労働省
働き方改革が叫ばれる今の働き手の就業意識はどのようなものでしょうか。NRI(野村総合研究所)の調査から、以下の4つの特徴が挙げられています。
- ワークライフバランスの重視
- 安定した生活を求める傾向
- 保守的なキャリア形成思考
- 低下する会社への帰属・貢献
ワークライフバランスを重視し個を大切にしたい働き手と、集団意識の強い会社とのミスマッチも離職の理由の一つなのでしょう。離職を防ぐためには、入社後の取り組みも重要ですが、そもそも離職しない人を採用することができれば、会社にとっても、求職者にとっても幸福ではないでしょうか。 人手不足に悩むある企業では、1年以内の離職率が30%を超えていましたが、採用方法を変えることで、離職率を半減させることができました。これまでは、とにかく数を確保することを優先していましたが、会社と相性の良い人だけを採用することにした結果が離職率半減です。 では、どのように相性の良い人を選ぶのか。 その答えが、昨今話題のAIです。事前に会社の社員にアンケートを実施することで社員の傾向を分析し、さらに採用候補者のアンケート調査結果から、会社との相性を判定します。この企業は、相性度合いの高い人だけを採用することで、離職率を低減することができました。上手にAIを活用できた例でしょう。 AIを活用し結果を出している企業は、ますます増えていくでしょう。 わたしたちは、ビジネスの問題をAIやデータサイエンスのチカラを利用して解決するお手伝いをしています。
落合 真人