働き方改革とエンゲージメント
エンゲージメントに関するコラムはこれまでにも出筆してきました。今回、次のような理由もあり、あらためて、エンゲージメントについてコラムを書くこととしました。
日々、クライアントである企業経営者との会話の中で、ほとんどの業種の経営者が人材不足を経営課題の上位にあげるようになりました。これまでも労働人口の減少は既成の事実ではありましたが、ここまで喫緊な課題となっており、企業においては、店舗撤退せざるを得ない経営者の悩みがあります。単純な話ですが、数が足りないのならば、質を上げるしかありません。そして、質の重要なファクターに、エンゲージメントがあります。エンゲージメントの高い従業員の多い企業は、明らかに数を補完することができるのです。しかし、米ギャラップ社の世界各国の企業を対象に実施した従業員のエンゲージメント(仕事への熱意度)調査によりますと、日本は「熱意あふれる従業員」の割合が僅か6%しかないことが分かっています。因みに、米国は32%と日本の5倍以上です。また、同じくギャラップ社の調査によりますと、エンゲージメント指数上位25%の企業は下位25%の企業より、利益率が1~4%高く、月間売上は8万~12万ドル高いそうです。また、アメリカの経営・人事管理コンサルティング会社、CEB社の調査によりますと、エンゲージメントの高い従業員の離職率は1.2%にとどまり、エンゲージメントの低い従業員の離職率は9.2%と高くなっています。では、エンゲージメントの高い従業員とはどのような働き方をするのでしょうか? 日本経済新聞では次のように紹介されていました。「例えば、ファストフード店でマニュアルどおりに作業するアルバイトは、「まじめ」かもしれないが「エンゲージメント」の度合いは高くないそうです。言われたことを忠実に守っているだけだからです。逆にもっと働きやすい職場をつくるために、マニュアルの改善を提案するような従業員は「熱意(エンゲージメント)」が高い従業員ということになります。仕事に対して主体的に向きあう姿勢をもった従業員です。」
このように、エンゲージメントの高い従業員を増やすためには、経営者は、それに見合った育成プログラムを用意し、継続的に実施していかなければなりません。新たな人材を採用することが難しいのであれば、頭を切り替えて、採用コストを、育成コストに振り向ければいいのです。
9月26日は、エンゲージメントの高い従業員を育成するために必要な助成金活用セミナーを開催いたします。
取締役 牧野 春彦