自分の人生を生きる

 日増しに悪化する日韓関係。 世論も手伝って、両国のリーダーの振り上げた拳の降ろし方が注目されます。すでに、自分たちではどうしようもなく、米国や国連の力を借りなければ収集することができない状態に陥っています。このように、物事にはその現象の捉え方次第で、見え方も、立ち位置も異なり、それによって、その後の行動にも大きな影響を与えることとなります。
 例えば、2010年に2兆3,000億円の負債を抱えて倒産したJAL。再建は絶対に不可能であるといわれる中、会長に就任した稲盛さんの尽力で、僅か1年で再生し、その後、再上場を果たしております。稲盛会長は、当時、3万2千人いた社員を入れ替えたわけではなく、3万2千人の社員の意識を変えることで、会社の再建を実現しました。“社員の意識”。意識には、主人公意識と被害者意識があるといわれます。何事にも「させられている」「してくれない」「自分は悪くない」「自分には関係ない」などが被害者意識です。これに対して主人公意識は、自分の人生はすべて自分が主人公であり、責任者でもあるという意識です。このような意識の人は、あらゆる事態に、自ずと主体的、積極的に立ち向かっていきます。大企業であるJALの3万2千人の意識を変えることができるということは、皆さんの会社の社員の意識は、もっと簡単に変えることができるのではないでしょうか。あくまでも、稲盛会長のような誠実さと情熱があれば、の話ではありますが…。 この、稲盛会長が築いてきた盛和塾が自身の年齢により、本年2019年末をもって解散するというのは、とても残念なことです。
 “意識を変える”。 被害者意識から主人公意識に変える。冒頭の日韓問題も、もともとは被害者意識から始まっています。それは、自分を変えずに、他者を批判するだけなので、なにも変わることはありません。よく言われますように、“人を変えることはできないが、自分を変えることはできる” という考えが、主人公意識です。では、主人公意識を持つためにはどうしたらよいでしょうか。心理学者のアドラーは、「人は誰でも2つの劣等感を持っている」といいます。1つは、自分と他者を比較した時の劣等感。もう1つは、目標を持つことによる劣等感です。そして、主人公意識に向かわせる劣等感は後者の、目標を持つことによる劣等感が重要ということになります。日々、目標に向かって1段ずつ確実に階段を上っていく姿勢。常に、自分の人生の為に、自己の成長が必要であり、周りの人は自分の成長に必要不可欠である存在であることを認識する必要があります。上司は、自分の成長を望み、サポートしてくれる存在であり、部下は、自分がサポートし、その成長を分かち合う存在でなくてはなりません。
 弊社は、このような上司と部下の成長を支援するための、サポートツールを、9月にリリースさせていただくこととなりました。このツールの特徴は、自己の目標を上司と一緒に設定し、毎日、一緒にクリアしていく仕組みとなっています。若い人たちがRPG(ロールプレインゲーム)感覚で、目の前のステージをどんどんクリアしていくことで、着実に一人前に育っていくという仕掛けです。その結果、上司と部下のコミュニケーションは深まり、社員がこの会社で成長し、貢献したいというエンゲージメントも必然的に高まっていきます。
 本ツールの開発のきっかけは、リクルート会社の社長との対話でした。リクルート会社の社長曰く、「企業に人材を紹介するだけではなく、紹介したその企業で5年、10年と一人前に育っていってほしい。」という、強い思いを受け、開発に着手し、商品名を、“一人前” とさせていただきました。
 詳しくは、来月にご案内申し上げます。ご期待ください。


 取締役 牧野 春彦