「背中を見て学べ」だけではダメ

 会社は、若手社員一人ひとりが十分に能力を発揮し、戦力として働くことのできる“一人前”になることを望みます。しかし、「背中を見て学べ」だけでは通用しない時代となりました。今の時代、若手社員の多くは、マンツーマンでしっかりとしたサポートがなければ、“一人前”になる前に脱落してしまいます。厚生労働省の調査では、平成29年度就職者の1年以内離職率が、高卒新卒社員で17.1%、大学卒新卒社員で11.5%、平均すると15%程度の人が1年以内に離職しています。離職の理由も「思っていた仕事と違った」、「やりがいがなかった」など、ネガティブな理由が圧倒的多数です。
 そのような状況で、会社や教育担当者にできることはなんでしょうか。
 第一に考えることは、新入社員や若手社員が安心して仕事に取り組み、成長できる環境をつくってあげることです。そのためにはまず、会社が望む“一人前”の社員像を明確にし、会社や教育担当者、若手社員すべてが、共通認識を持って“一人前”を目指さなければなりません。業務に必要な知識や遂行能力など、「何ができれば“一人前”なのか」をみんなが理解することから始まります。若手社員は、「何のために今の仕事に取り組んでいるのか」を考えながら、目的意識を持って仕事に取り組む必要があります。
 「画一的な“一人前”の社員を目指すことは、社員一人ひとりの個性を潰してしまうことにならないだろうか」
 そのような疑問があるかもしれませんが、最低限のスキルやノウハウを身につけた“一人前”の土台があってはじめて、個性や強みが発揮されます。変化の激しい時代だからこそ、しっかりとした土台を作ることが大切になります。
 土台の大きさが、社員が生み出す価値の大きさを決めます。今の若手社員が中心となって会社をリードすることになる未来のために、今、“一人前”の社員を育てるためにできることを考えてみませんか。

 先月のニュースでもお伝えしましたが、近日中にリリース予定の弊社Webサービス「一人前.com」では、土台となる“一人前”に必要な最低限のスキルやノウハウの設定を、厚生労働省の職業能力評価基準を利用して手軽におこなうことができ、“一人前”になるための、日々のゴール設定も簡単におこなうことができます。

 わたしたちは、限りあるヒューマンリソースをいかに活用するかを考え、時代背景を踏まえた適切な人材育成のサポートをおこなっております。


落合 真人