One for all、All for one

 連日、ラグビーワールドカップ2019 日本大会がとても熱いですね! 我が日本代表も、予選3連勝で、いよいよ来週は決勝トーナメント進出を賭けて宿敵スコットランドと対戦します。私は、スポーツ観戦が大好きで、特に代表戦は必ずテレビで応援しています。ラクビーに詳しい人にお聞きすると、数あるスポーツの中で、力の差が歴然と結果に結びつき、一番奇跡が起こりにくいスポーツがラクビーだそうです。高校野球のように何が起こるかわからないスポーツが面白いのは当たり前ですが、結果がほぼ確定しているラクビーが、なぜ、これほど熱狂させられるのでしょうか。それは、結果とは別に、プロセスの面白さがあります。15人の多様なポジションの選手が瞬間的に味方をサポートし、一挙に攻撃に転じる。体と体の激しいぶつかり合いの後は、敵味方お互いにリスペクトし合う潔さ。ラクビーの言葉で、“One for all、All for one”はとても有名ですよね。「一人はみんなのために、みんなは一人のために」といわれます。しかし、これは実は間違っていて、本当の意味は、「一人はみんなのために、みんなは一つの目的のために」が正解とのことです。ここでいう目的は、ラグビーでいうと、もちろんトライですよね。これを、会社に置き換えた場合はいかがでしょうか。一つの目的、つまり会社の目標のために全員が自分自身の役割をしっかり認識し、お互いに協力し合って目標達成することとなります。
 今大会で躍進をする日本代表ですが、その礎を築いたのは、前ヘッドコーチであるエディー・ジョーンズです。今は、イングランドのヘッドコーチをしています。イングランドは、ラクビー発祥の地であり、イングランドが世界各国を植民地化する歴史とともに、ラクビーは全世界に広まっていきました。しかし、イギリスは前大会の母国開催で予選敗退という屈辱的な経験をします。そこで、初の外国出身ヘッドコーチとして、エディーに白羽の矢が立ったのです。それだけ、イングランドも今大会に賭ける想いは尋常ではありません。エディーは、前大会で予選敗退したイングランドのチームに対し、「ポジション争いが激化し、選手が個人主義化したことも敗退の一因」であると分析しています。最たるチームプレイが必要なラクビーが個人主義化したことで、組織は、こうも簡単に崩壊してしまうのです。
 組織のチームワークを築く方法として、“Knowledge”があります。Knowledgeは一般的に知識・情報・認識などのノウハウの共有と理解されていますが、まず大切なことは、“心をあわせる”ことです。稲盛和夫さんの経営学では、スキルの前に心の在り方を重要視し“心にはじまり、心におわる”といわれています。日本代表チームは合宿で、心ひとつに、チームのつながりを高めるためにワークショップを繰り返し実施してきました。
 弊社は、営業組織のつながりを育てるプログラム『Sales Knowledge Management』を展開しております。詳細は、お問い合わせください。


取締役 牧野 春彦