科学的に成長させる仕組み

 米ギャラップ社が世界各国の企業を対象に実施した従業員のエンゲージメント(仕事への熱意度)調査によりますと、日本は「熱意あふれる社員」の割合が6%しかないことが分かったと報告しています。米国の32%と比べて大幅に低く、調査した139カ国中132位と最下位クラスだそうです。 「やる気のない社員」は70%に達しております。 さらに問題なのは、「周囲に不満をまき散らしている無気力な社員」の割合は24%と高いことです。彼らは意識が低いだけでなく、周囲に悪影響を及ぼし、商品やサービスの不具合、顧客喪失など会社にとって何か問題が起きる場合、多くは彼らが関与しているということです。その彼らとは、ミレニアル世代(1980~2000年生まれ)のことです。一方で、彼らは、自分の成長に非常に重きを置いており、上司と部下が一緒になってどのように結果を導き出すか、部下をどうやって成長させていくかを考えることが、上司の最大の仕事になっています。
 以下は、ギャラップ社が仕事への熱意(エンゲージメント)を調べるために実施したアンケートの一部です。

  1. 私は仕事をするうえで、自分が最も得意なことを行う機会が毎日ある
  2. 最近一週間で自分の仕事が褒められたり、認められたりしたことがある
  3. 過去一年の間に仕事を通じて学び、成長する機会を持った

 エンゲージメントとは、「組織に対する自発的な貢献意欲」や「主体的に仕事に取り組んでいる心理状態」を表したもので、離職率の低下だけでなく、個人の生産性や企業の収益向上に深いつながりがあることがわかっております。 また、ギャラップ社は「やる気度」を高める施策を提言もしています。
  1. 「やる気」対策を会社の人事戦略に組み込む。
  2. 「やる気」を科学的に評価できる方法で測定する。
  3.  会社が現在どこにいて、将来どこに向かおうかということを理解する。
  4. 「やる気」をひとつの構成概念として見る。
  5. 「やる気」をほかの業務優先と整合させる。

 弊社は、このような上司と部下の成長を支援するためのサポートツールを、来月10月にリリースいたします。このツールの特徴は、自己の目標を上司と一緒に設定し、毎日、一緒に進捗を確認していく仕組みとなっています。若い人たちがRPG(ロールプレインゲーム)感覚で、目の前のステージをどんどんクリアしていくことで、日々着実に自己の成長を認識し、上司が承認するという仕組みです。その結果、上司と部下のコミュニケーションは深まり、社員がこの会社で成長し、貢献したいというエンゲージメントも必然的に高まっていきます。 詳しくは、10月の本誌をご期待ください。


取締役 牧野 春彦