社会人基礎力

 コロナウィルスの猛威により、各種イベントは延期、縮小、中止と社会全体への影響が甚大であり、その終焉が見えない中、経済損失は計り知れないダメージが予測されます。そのような大混乱の中、新社会人にとっては、大変な時期に、新しい環境で、新しい生活をスタートさせていかなければなりません。
 一方、新入社員を迎える企業側にとっても、新入社員という原石をいかに磨き続け、離脱することなく、自ら輝きを発するように育てていかなければなりません。
 2006年に経済産業省は、「現場や地域社会で多様な人々と仕事をしていくために必要な基礎的な力」として、3つの能力、12の能力要素からなる社会人基礎力を提唱しました。
 このような考え方は日本だけではなく、イギリスではコアスキル(Core Skills)、アメリカではベーシックスキル(Basic Skills)として、諸外国でも同じように、社会で働くための基礎力を重要視しています。
 新入社員たちは、学生のころから、早く会社で一人前になれるように、語学力やPCスキルなどの専門スキルを養おうと努力します。一方で、企業側は専門知識よりも、社会人基礎力の要素である「主体性」や、チームワーク、コミュニケーション力などを学生時代に培ってほしいと思っています。
 企業が求める社会人基礎力は、学生時代だけでなく、遅くても入社後3年目までには身に付けてほしいと願っています。新入社員の31.8%は3年以内に離職するというデータが示す通り、この期間に社会人基礎力を手に入れることが出来なかった社員は、やりがいや、チームワークに馴染めずに、残念ながら離脱していきます。
 一方で、社会人基礎力の12の能力要素はどのように磨いていけばよいのでしょうか。この12の要素を「モノサシ」とし、自らを測定することができ、上司がその「モノサシ」を共有し、育成支援することが出来れば、とても素晴らしいことだと考えます。
 弊社は、この「モノサシ」を測定し、上司とともに高めていくサービスを開発しました。
 このサービスを開発するきっかけは、新卒人材支援をしている会社の社長様からのご相談でした。上述しました通り、凡そ3割が離脱する中、とある会社で、上司が部下の育成指導を丁寧に行った結果、その後は一人の離脱もなかったというエピソードをもとに、それを一般化するツールを開発したいというものでした。
 今回リリースいたしますサービス名称は、「一人前」です。このサービスを利用することで途中離脱することなく、一人前に育ってほしいという願いを込めました。スマホアプリですので、毎日簡単に利用することができ、いつでも自分の「モノサシ」を確認でき、上司とのコミュニケーションツールにもなります。
 新入社員1人を採用し、教育し、1年間雇用するのにかかる総額は604万円だそうです。企業経営におきまして600万円の利益を創出することはとても大変なことです。新入社員を採用するということは間違いなく先行投資です。この投資に失敗しない為には、失敗しないような取り組みが必要となります。
 この4月に新入社員を迎える企業様は、是非、「一人前」のご利用を検討してください。1人の新入社員からでも使用することが可能です。


取締役 牧野 春彦