2つのデジタル化

新たな気持ちで2021年を迎えるつもりが、やはり、コロナの勢いは止まることを知りません。関東をはじめ、各地で緊急事態宣言の再開に混乱が起きています。近しいドクターの見解によりますと、たとえワクチン接種が始まっても一挙に終息するものではないそうです。民主主義国家の我が国は、ワクチン接種を選択する権利があるため、鎮静化には数年単位での時間を要するようです。従いまして、経営者や企業の皆様には、いい意味での開き直りをしていただき、思い切って改革にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。7割経済と言われるように、生産性のある仕事は7割とし、残り3割は創造の時間に充ててみてはいかがでしょうか。

現在のような予測不可能な未来に対する唯一の解決策はイノベーションの創出であると言われます。そして、イノベーションの鍵を握るのが「デジタル化」です。

デジタイゼーションデジタライゼーションという2つのデジタル化のキーワードがあります。

デジタイゼーションは、ビジネス・プロセスの効率化であるのに対し、デジタライゼーションはビジネス・モデルの変革を示します。どちらが大事かではなく、どちらも大事です。現在のように外部環境が大きく変わろうとしている時には、この2つの手段を、いかに速く回していけるかがとても重要となります。

例えば、これまでのビジネスの流れは、以下のようなタイミングで行われてきました。

  • 3年間の中長期計画
  • 1年に一度の年度計画
  • 半年に一度の設備投資
  • 月例の定例役員会
  • 週次の部門会議

しかし、現在の時間の速さと予測不可能な社会を前提としたビジネスにおいては、次のような時間感覚を持たなくてはなりません。

  • 戦略を動かし続ける
  • 現場に権限委譲する
  • 現場での判断を重視
  • 結果を迅速に事後報告
  • 対話の頻度を増やす

緊急事態宣言の対象範囲が拡大する中、テレワークの推進を図るとともに、日々の業務はデジタル化の推進により経営スピードを上げ、不確実性に対処するために、我々は創造性を創出する時間を設け、変化に俊敏に対処するような企業文化や風土へと変革することが求められます。どこから手を付けるべきか、私たちと一緒に考えていきましょう。

取締役 牧野 春彦