コロナで始まるテレワーク
連日メディアで報道されているとおり、新型コロナウイルスにより、日本の働き方に大きな変化が起きています。外出自粛要請を契機に、テレワーク(在宅勤務)が一気に広がり始めました。
3月9日~15日の調査(出所:パーソル総合研究所)ですが、テレワークの実施率は、全国平均で13.2%(会社での推奨/命令率:22.1%)、東京都では23.1%(38.2%)、愛知県では9.5%(19.1%)となっています。当時より感染拡大が進んでいる現在では、より増えていることが予想されます。また今後も感染者が増えていく地域では、より一層テレワークへの移行が進むことが推測されます。
同じ調査で業界別に実施率を見ると、情報通信業が26.1%、学術研究・専門・技術サービス業が20.3%と高く、逆に、運輸業・郵便業5.8%、医療・介護・福祉業4.6%と低い結果になっています。当然ながら、テレワークができる職種とできない職種がありますが、現在のコロナ禍に挑むためには、緊張感を持って、こうした職種間の格差を解消することを考えなければなりません。
コロナ以前、働き方改革のひとつとしてテレワークが推奨されていましたが、IT関連企業を除くと、遅々として導入は進んでいませんでした。テレワーク導入を阻む一番大きな課題は、個人のITリテラシー不足です。導入後のパフォーマンス(生産性)にも直結するITリテラシーは、機器やツールを揃えたとしても、急に身につくものではありません。これまでは、オフィスの中で誤魔化されていた能力の差が、テレワークでは如実に現れてきます。全てがお膳立てされているオフィスと違い、ひとりひとりがある一定のスキルを持ち合わせている必要があります。「インターネットに繋がらない」、「新しいツールの使い方がわからない」、「オンライン会議で映像が出ない、音声が聞こえない」。仕事以前のトラブルが発生する状況は好ましくありません。
強制的ではありますが、いまこそ、企業全体のITリテラシーの底上げが必要ではないでしょうか。それは新型コロナウイルス収束後も企業の大きな資産になるはずです。
弊社でも4月6日よりテレワークを実施し始めました。準備期間もない中で既存の機器やツールを利用し、全従業員がリモートワークを実現できる環境を整備しています。10年前には難しかったことが、現在では様々なツールによって容易に実現可能になりました。最低限のITリテラシーを備えていれば十分に利用可能な仕組みです。働き方を変えるのは、事前の準備も大切ですが、やるかやらないかの決断だけです。
政府も「働き方改革推進支援助成金」に新型コロナウイルス感染症対策を目的とした取組みを行う事業主を支援する特例コースを設けました。
ITリテラシーの底上げやテレワーク導入など、何でもご相談ください。わたしたちと一緒に「物理的にオフィスへ出社しなければならない」という考え方を一度リセットし、この難局を乗り越えてみませんか。
落合 真人