NFT

　2021年3月22日、Twitterの創業者Jack Dorsey（ジャック・ドーシー）氏の最初のツイートがおよそ291万ドル（3億円超）で落札されました。

　Twitterのツイート第1号とされるこのツイートにどれほどの価値があるかはわかりませんが、落札したブロックチェーンを手掛けるマレーシア企業のCEOは「これはただのツイートではない！何年もあとになってから『モナ・リザ』の絵画のように、このツイートの本当の価値にみな気づくだろう」とツイートしています。

　今回、競売にかけられたのはこのツイートの所有権を証明する“NFT”（Non-Fungible Token：非代替性トークン）と呼ばれるデジタル証明書です。NFTはブロックチェーン技術を利用して信頼できるデジタルデータの鑑定書や所有証明書を作成することができるため、絵画と同じように収集を目的としたデジタルアートなどデジタル資産の売買が盛んになってきています。海外では、アヒルのイラスト「perfection」や、インターネット上の仮想世界「Decentraland」の土地の権利が1億円以上で取引されており、NFTであれば何でも売れる状況です。国内でも、メルカリがNFT取引に参入するなど、2021年はNFTによってアートやゲーム、電子書籍、音楽などエンターテインメント業界でデジタルコンテンツの流通が活発になるかもしれません。

　国内のNFT取引は始まったばかりなのでこれからNFTマーケットがどれほどの大きさになるかわかりません。しかし、これまでになかった新しいマーケットが生まれました。法人、個人に関わらずNFTマーケットでのビジネス展開の可能性を検討してもよいのではないでしょうか。

落合　真人