生産性とデータサイエンス
新年あけましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
プレジデントワンは、皆様の経営高度化を支援するために、今年は特に、データサイエンスによるコンサルティングサービスの裾野を広げてまいります。是非、よろしくお願い申し上げます。
私は毎月8冊の本を読むことを自分に課しております。それは、以前、「国内において7冊の読書をする人は、全体の4%未満である」という情報に触れたことがきっかけです。で、あれば毎月8冊読もうと単純な発想です。そして、今年の1冊目は、「新・所得倍増論」(デービット・アトキンソン 著)です。これから読まれる方も見えると思いますので、興味深いデータだけご紹介したいと思います。
右記の表をご覧ください。
日本は国全体ではほとんどの指標でトップクラスに位置しております。一方、一人当たりに換算しますと、その順位は大きく後退します。日本は戦後復興と爆発的な人口増加によって、世界でも類を見ない経済成長を果たしました。その後、バブル崩壊以降、成長しない国となってしまいました。そして、2005年に人口減少が始まり、その勢いは加速度を増しております。2016年1億2,693万人だった人口は、今後50年後で8,026万人(▲4,667万人)になってしまいます。消滅する人口の規模は地域でいえば、北海道、東北、北陸、中国、四国、九州のすべてが消滅してしまう勢いです。政府は様々な手段で少子化対策に取り組んでいますが、その対策が功を奏したとしても、その効果は数年先にしか寄与しません。従って、GDPを押し上げるためには、一人当たり生産性を上げるしかありません。これまでも、経営者の方々は、生産性を上げるために、様々な取り組みをされてきたと思います。しかし、それは限定的な改善レベルの取り組みが多かったのではないでしょうか。数パーセントの生産性向上ではなく、二桁パーセントの生産性向上を達成するイノベーションレベルの生産性向上を目指さなければなりません。
そして、その手段は2つあると考えられます。それは、埋もれている人材の活用とデータサイエンスです。
まずは、埋もれている人材の活用です。 幸いなことに、高スキル労働者は世界1位のポテンシャルがあります。外国と比較して、女性の活躍できる場が限定的であり、非正規社員の増加によって、このポテンシャルを活かすことができていません。敢えて、このよう人材の活躍の場を創出することで、イノベーションレベルの生産性改善をすることができるのではないでしょうか。ここで、面白いデータをご紹介します。上記の表で、日本の観光業のGDP比率は126位です。これは、他産業において観光業の比率が低いということですが、わが国の観光産業は、ポテンシャルを十分に活かせていないということでもあります。観光産業の4つのキーワードは、“自然、気候、文化、食”です。どれをとっても我が国には、素晴らしいポテンシャルがあります。しかし、現時点では、それらを十分に発揮できていないことも事実です。前述の女性の活用と似たような現象です。
次に、データサイエンスです。経営者は、日々様々な課題に直面し、従来型の対処療法で課題解決をしております。しかし、その解決策は最適だったのでしょうか。十分な分析がされず、経験値や勘頼りだったのではないでしょうか。“なぜ、商品が売れないのか。なぜ、売上が減少するのか。なぜ、いい人材を採用することができないのか。なぜ、経営方針を共有してくれないのか。・・・” これらの課題に対する最適な解決手法が、データサイエンスを活用した経営手法です。今後、このような取り組みをしている企業と、過去の経験値と勘に頼っている企業とでは明らかな差が出てきます。
1月24日に「ビッグデータの活用法セミナー」を開催します。今後も、定期的に開催する予定ですので、興味のある方はお問い合わせください。
取締役 牧野 春彦