名経営者の退場リスク

3月30日の日本経済新聞に、「名経営者の退場リスク」という記事がありました。
上場企業における名経営者の退任により、株価が大幅に下落し、その後、新体制の実力を見極めるのに相応の時間を要するとのことです。特に今年は、カルビー、日本電産、伊藤忠商事などで、名経営者の退任が決まっており、各社の株価の推移に注目が集まるところです。
では、中小企業の場合はいかがでしょうか? 帝国データバンクのレポートによりますと、国内企業の3分の2にあたる66.5%で後継者不在とのことです。逆に言いますと、後継者が決まっている企業は3社に1社しか存在しないということです。しかし、後継者は決まっているものの、自社株を後継者に移す為には多額な贈与税が発生し、二の足を踏んでいる企業も多いようです。そのような背景もあり、平成30年度税制改正におきまして、事業承継税制が大幅に緩和されました。 事業承継税制自体は後継者への自社株の移転を促進する目的で以前からありましたが、適用要件が厳しく、なかなか活用されてきませんでした。しかし、今回の改正により、真の意味で促進されると思います。(平成30年度税制改正の詳しい説明はこちらのリーフレットをクリックしてご覧ください。)
一方で、「名経営者の退場リスク」は、実は中小企業の方が切実な課題を抱えているのではないでしょうか。ある企業では、先代の急逝により、主要取引先から取引を解除されたというケースを聞いたことがあります。中小企業はオーナー企業が多く、オーナーの存在自体で取引が継続されているケースも珍しくありません。このようなリスクを補う手法は後継者教育に尽きます。テクニカルな分野ではなく、後継者の人格を創り上げていくしかありません。では、“人格” というのは、どれだけの時間をかけて学べば良いのでしょうか? また、何を学べば、“人格” を創り上げることができるのでしょうか。とても、難しいテーマです。しかし、正しい志を掲げて、日々、正しい鍛錬を長きにわたり積み上げていくことで、知らない間に “人格” は創り上げられているものです。名経営者の方々は、このような心持ちで自らを磨き上げてこられたことと存じます。
先代が長きにわたり磨き上げたものを効率的に学ぶ手段があります。これまでも何度か「経営者アンドロイド」のご紹介をしてまいりましたが、第四次産業革命時代における後継者教育として、「経営者アンドロイド」はとても有効な手段であると考えます。 (経営者アンドロイドのHPはこちら)

取締役 牧野 春彦