もう1つの2025年問題

 2020年9月号のプレジデントワン・ニュースにおきまして、『ITシステム「2025年の崖」』と題して、経済産業省の資料をもとに解説させていただきました。簡単に内容を申し上げますと、2025年には、21年間以上稼働しているシステムが全体の6割を超える。そのために、大量のシステムリプレースが発生する。さらに、企業の生産性向上のためにDX化(デジタルトランスフォーメーション=“進化したデジタル技術を浸透させることで人々の生活をより良いものへと変革すること”)もしなければならない。しかし、一方で、IT人材が43万人も不足するため、最大12兆円/年の損失が発生するという問題です。
 今回は、もう1つの2025年問題を取り上げます。それは、「超高齢化社会」に突入する問題です。日本の人口の年齢別比率が劇的に変化し、社会構造や体制が大きな分岐点を迎えます。その結果、雇用、医療、福祉など、さまざまな分野に影響を与えることが予想されます。日本の人口は2010年を境に減少を続け、2025年には約800万人いる団塊の世代が後期高齢者(75歳)となり、国民の4人に1人が後期高齢者という超高齢化社会を迎えます。逆に社会保障の担い手である労働人口は減っていくため、社会保障費の増大・不足が予想されるほか、医療・介護分野の整備や少子化対策が急務となります。
 パーソル総合研究所の発表によりますと、2025年には245万人の介護スタッフが必要とのことですが、実際に供給可能な介護スタッフは211万人しかいなく、34万人もの介護スタッフが不足すると予測しています。実に14%も不足することになります。その為、厚生労働省は、この不足する介護スタッフの補充として、2019年4月に「特定技能(介護)」という在留資格を新たに設け、5年間で6万人の外国人介護人材の入国を許可することとしました。それでもまだ28万人の不足はどのように埋めていくのでしょうか? 前述しました通り、14%の人材が不足するということは、例えば、20人の介護スタッフのいる介護事業所では、3人を外国人で補完しなければならないという計算になります。そもそも、介護分野の有効求人倍率は2017年に3.64倍と、全業種の平均有効求人倍率の1.54倍に対し、きわめて高いといえます。有効求人倍率3.64倍とは、364人を求人しても、100人しか集まらない状況のことです。そして、この状況はコロナ禍において全体的には有効求人倍率が下がっているにもかかわらず、介護業界においては高い状態のままなのです。また、せっかく採用しても、約半数が2年以内に退職するという極めて厳しい業界なのです。
 弊社は、そのような2025年問題に突き進んでいる介護業界のお役に立ちたいという思いから、グループ会社とジャカルタの日本語学校と協力して、インドネシアの介護人材を積極的に紹介しております。コロナ禍にもかかわらず、連日、介護事業者様のオンライン面接が開催されており、とても盛況です。面接の状況について担当スタッフに確認しますと、介護事業者様の方々は、インドネシアの応募者の日本語能力の優秀さだけでなく、持前の明るさと向上心にとても感動されているようです。
 2025年に向け、あと4年間。必ず一定数の外国人を雇用しなければならない状況ですので、今すぐにでも、準備を始めなければ間に合いません。そのような取り組みを早期に行った企業ほど、人材不足という大きな課題から解放されていきます。
 外国人特定技能(介護)に関するリーフレットをご覧いただき是非、ご検討くださいますようお願いいたします。


取締役 牧野 春彦