中部経済新聞に掲載されました
ものづくり補助金 2次公募・選択のコツ 《下》

ものづくり補助金 2次公募・選択のコツ
 《 下 》
採択率高い「目的主導型」
自社の優位性を明確化

 今回は、ものづくり補助金を実際に申請していくにおいて、ポイントとなる指標と論点を述べていきたいと思います。
 初めに、QCDの視点です。生産管理の基本的指標である、クオリティ(品質)、コスト(費用)、デリバリー(納期)について、自社の取り組みと、競合他社や従来品との差別化を明確にすることが重要です。
 また、地域や市場において先駆性があるのかどうかという、革新性や新規性においても同様に優位性の明確化が期待されています。生産性に関する要件もあり、申請対象としている設備投資により、どの程度付加価値が伸びるかということも、数値と説得力のある根拠で示していく必要があります。
 そして、私たちが一番重要であると考える論点が「手段主導型」か「目的主導型」か、という違いです。手段主導型とは、「補助金で設備投資をしたい」ために申請を行うというスタンスのことです。一方で目的主導型とは、経営目標に立ち向かっていくにあたり、遭遇する課題可決のために設備投資を行う、というスタンスです。端的にいうと「〇〇という目的(もしくは課題解決)のために、△△という設備を導入する」というものです。採択結果としては、圧倒的に後者が高いことが見受けられます。
 私たちは、得てして補助制度を見聞きすると「何が補助金の対象になるのか」という意識に引きずられて事業の方向性や設備投資の内容を決めてしまいがちです。
 しかし、本来は、補助金とは企業経営にとって従属的な物事であり、一番本質的な部分はもっと別の部分にあります。補助金のために設備投資を行うのではなく、いわば「私たちは何をしていきたいのか」ということを真剣に考え明確化することが問われている、そんな支援制度が「ものづくり補助金」であるとも言えます。
 2次公募の予算残額は約300億円と予想され、今回1次、2次の選択数は12,000件に達する見込みです。本補助金は事業分野に関わらず幅広い業種が対象となっております。将来を見据えた新規事業や新サービスなど、新しいチャレンジを考えている企業経営者の皆さまは、申請のご検討をされてはいかがでしょうか。

加藤 滋樹

 

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